迫りくる敵、駆け抜けろ森林地帯

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前話


本編

 アルマたちは眼前に広がる世界に驚愕していた。先ほどまではただの洞窟であったというのに、今目の前にあるのは広大な森林だった。

 洞窟地帯を歩き続けて既に三日経っていた。今いるのは迷宮区五階層。全十階層の内、半分まで三日で辿り着くことが出来た。

 アルマ、イギルはもちろん他の面々にも、このあたりから疲労の色が出始めていた。しかし三日で半分で来れたのならという思いが彼らの頭の中にあったが、アルマは「これはまずいな……」と呟いた。

「まずいって? もう洞窟みたいな閉塞感はないし、どういう仕組みか、太陽みたいなのも照らしてる。だいぶ気分はリフレッシュされてるけど?」
 
 リリアーノが尋ねる。

「ああ、環境としては気分は良い。だが洞窟の場合、極論全部の道を潰せば次の階層への転移陣を見つけられたが、これだとどこにあるかわからないぞ。しかもどこ行っても森だとするなら、景色が変わらな過ぎて、入り口すらも見失うかもしれない」
「そうだね……。でもアルマの|紅魔眼《マジックセンス》があるなら、魔力のマーキングでどうにかならないかな?」

 エルノは辺りの木々を見回しながら聞く。

「マーキングは基本的に、無機物や魔力の流れが一定なものに自らの魔力を押し付けることによって他のものと判別する。|狼の迷宮《ダンジョンウルフ》の中にあるって考えるとこの木は本物ではなくて、光の魔法とかで作り出した偽物だと思う。だからマーキングは意味を成さない」
「ってことは片っ端に?」
「転移陣は土に埋もれてるかもしれない」

 その直後、アルマの背後でどさっという音が聞こえた。それはイギルが疲労に屈し、腰を下ろした音だった。

「大丈夫か?」
「いや、ああ。ちょっとふらついただけだ。歩き始めれば楽になると思う」

 アルマもイギルも眠るとき以外は、常に|特殊技能《スキル》を発現しっぱなしだ。アルマは痛みが感じないながらも、身体にはやはりがたが来ているようで、戦闘中、ふとうまく動かない感覚を覚えていた。

 それに対し、イギルは筋肉に対する負荷というより、脳に対する負荷が大きい。それもあって言うのは、気持ちが悪いであったり、吐き気がするというのが多かった。だから今も立ち眩みのような状態なのだろう。

「じゃあ取り敢えず歩き始めるか」
「この入ってきたところはどうやってマークしておくつもり?」

 そう言われたアルマは近くの木に、刀剣で傷をつけた。

「こうしていくしかない」

 リリアーノは溜息をつきながら、歩き始める。目的はどこにあるかわからない次の階層への転移陣だ。



 周囲を囲む敵は、その鋭い双眸を光らせながら、こちらを見ている。誰が言ったか|狼の迷宮《ダンジョンウルフ》。その名の通り、アルマたちを囲むのは無数の狼たちだった。

 |白狼《ホワイトウルフ》や|双頭狼《オルトロス》、白や灰の毛並みを持つ狼たちの中に、ひときわ目立つ漆黒の毛並み。この|迷宮《ダンジョン》の花形、|黒狼《ブラックウルフ》だ。

 |狼の迷宮《ダンジョンウルフ》の狼たちが扱う固有魔法の属は風。その上位属、雷だった。

 白き閃光と称される彼らを統べる|黒狼《ブラックウルフ》の扱う雷は、その正反対、黒き雷撃。

 その魔力量が故に光すらも黒に染める|黒狼《ブラックウルフ》の実力は言うまでもない。

「何匹いるんだ……」

 エルノはアルマに尋ねる。

「見る限り二十は越えてるな」
「いくら群れで行動をするからってこの量は……」

 リリアーノは溜息をつきながら、結界を張ろうとするが、それをアルマが制止する。

「魔物は魔力の動きに敏感だ。下手に結界を張ろうとしても発現しきる前に攻撃される」
「じゃあどうしたらいいのよ!」
「イギル、エルノ。前に出て、一瞬抑える。そのタイミングでリリィは結界を。ナディアはリリィを守れ!」
『おう!』

 リリアーノとナディアの二人を囲う様に、三方向へ飛び出た三人の中で最初に接敵したのはイギルだった。

「奴らは電撃を使う! 敵が電気を纏ったら武器での攻撃は控えろ!」

 アルマの警告を聞いたイギルは大地斧に魔力を注ぎ込み、斧を地面へ振り下ろす。大地斧の魔力に感応した地面は、使用者の意思の元、狼たちに向かって土の刃を突き立てた。

 しかし多くの狼たちはそれを避け、刃の隙間からイギルを狙う。

 巨大な斧を持ち、大雑把に、激しく敵を嬲る戦士、それがイギルだった。しかし今は違う。

 憧れの男と共に磨き上げる自らの|特殊技能《スキル》。発現先はアルマだった。繊細に、素早く敵を屠る。称されたのは|旋風《サイクロン》。

 足を引き、斧の柄によって飛び掛かってきた|白狼《ホワイトウルフ》の顎を砕く。宙へと跳ね上げられたその|白狼《ホワイトウルフ》の頭を斧によって叩き割り、そのまま斧を振り抜く。

 後方から襲い来る|双頭狼《オルトロス》へ、その死体をぶつけ、怯ませた。

 死体から斧を引き抜き、左から迫る|白狼《ホワイトウルフ》に自らの篭手を噛ませ、動きを制した後に、腰に差していた短剣を胸元へ突き刺した。

 綺麗な白銀の毛並みからどぽっと溢れ出る血液は、醜悪な臭いがする。それに汚れた鎧や斧は、イギルをより興奮させる。



 エルノは細剣を手に、迫りくる|白狼《ホワイトウルフ》の喉元に一突き。

 一瞬で、その剣を引き抜き、後方に迫り、飛び上がった|双頭狼《オルトロス》に乱れ突きを放った。

 しかしレイピアのみでは、この量を捌き切れないと判断したエルノは、もう一本の剣、幅広のブロードソードを引き抜き、|白狼《ホワイトウルフ》の牙を防ぐ。

 その時だった。

 鋭い痛みが身体に迸る。

 これが|白狼《ホワイトウルフ》の雷撃。わかっていたはずだった。しかしこんな攻撃を咄嗟に判断し、避けるのは不可能だ。

「ぐぅっく」

 視界がちらちらと明滅し、頭の芯がじわっと溶け出すような感覚に陥ったと同時に、手足の感覚がなくなり、そのまま地面へ倒れ込んだ。

「エルノ!」

 結界の中からそう叫んだリリアーノは、ナディアを見て、エルノへの援護を訴える。

「ま、任せてっ!」

 ナディアは結界から飛び出し、魔法の詠唱に入った。狙うはエルノに電撃を浴びせた|白狼《ホワイトウルフ》。

「|風よ、悪しき者を吹き飛ばせ《ヴァン・ハルト・バレット》」

 左手の人差し指を立てるとその先に緑の魔方陣が浮かび上がり、そこから目には見えない風の弾丸が飛び出した。

 一直線の軌道を描いた魔法は、|白狼《ホワイトウルフ》の首筋に華麗にめり込み、その活動を停止させる。

「ナイス、ナディアっ! 私はイギルを支援する! あなたはそのままエルノを!」

 頷いたナディアはエルノの元へ駆け寄り、すぐさま|回復術《ヒール》によって、エルノの痺れを回復させ、戦線に復帰させる。

「ありがとうナディア。助かった」
「まだ……やれる……?」
「もちろん!」
「……頑張って!」
「ありがとうっ!」

 エルノは今一度立ち上がり、ナディアを守るように剣を構える。ただ身体が痺れただけで、その麻痺はもうない。傷もない。

 だからまだ戦える。



 アルマは一人|黒狼《ブラックウルフ》と対峙していた。|黒狼《ブラックウルフ》の周りにいた狼たちは、アルマの仲間の元へ、走っていったことを見ると、まるで群れのリーダー同士の戦いのようだ。

 |黒狼《ブラックウルフ》がアルマに対し、何を思ったのかはわからない。群れで戦う狼が一匹で戦うと意思を示したのは、アルマと争い合ううえで、周りの仲間が邪魔になると判断したのだろうか。

 だがそんなことはどうでもいい。さっさとここの迷宮主を倒して、強くなる。アルマの頭にあるのはそれだけだ。

「もう三日も歩き続けてて疲れてるんだ。さっさと終わらせて休ませてもらうぞ」

 身体から満ち溢れる魔物の魔力がだんだんと自分に馴染んでいくのを感じる。

 |紅魔眼《マジックセンス》も発現を意識しなくとも、いつの間にか発現している。

 人が次に出すのが右足か左足か判断せずとも歩行できるように、戦闘を知覚したアルマの魔力は自動的に|紅魔眼《マジックセンス》を発現させ、納刀状態にある刀剣で一閃を放つために、筋力の身体強化が行われる。

 たった三日。

 それだけで魔力が自らの意思とは別に、自らを助ける働きをし始めている。

 それが練度の影響か、内に秘める|合成獣《キメラ》の意思か、アルマにはわからないが、少なくとも仲間たちを守る力としては十分だった。

 そして満を持して、アルマが刀剣に手をかけた瞬間、|黒狼《ブラックウルフ》も同時に動く。

 その三メートルはある体躯を強く支えている丸太のような手足から地面を弾き、出される一歩は大きく、魔力に乗ったプレッシャーも相まって、地響きを感じているような錯覚を覚える。

 しかしそれは|黒狼《ブラックウルフ》も同じだ。

 一閃の構えを取ったアルマの目線は、はっきりと|黒狼《ブラックウルフ》を見ているわけではないのに、この空間の至る所から見られているような、尖った視線を全身にひしひしと感じる。

 それは明らかに|黒狼《ブラックウルフ》の集中を欠いていた。

 しかし視線や魔力による|圧力《プレッシャー》に気圧されるような魔物ではない|黒狼《ブラックウルフ》は右腕から生えている剣のような爪からの斬撃を放つ。

 それに合わせる様に、アルマも刀剣の抜刀を行い、|黒狼《ブラックウルフ》に一閃を放つ。

 双方の武器が激しくぶつかり合い、目を覆いたくなるような閃光が火花によって巻き起こる。

 これがスイッチだ。



 リリアーノの|特殊技能《スキル》は、地に手を付けていないと発現しないという結界魔法の制限をなくす、|無人要塞《ロンリネス》。

 本来一直線を描くか、魔力の調節によって軌道を曲げることしかできない魔術を、この|無人要塞《ロンリネス》を使い、氷結界を人間の頭部ほどの大きさにすることで、空中を自由自在に飛び回る氷礫の完成だ。

 リリアーノはそれを巧みに操り、イギルまでの道を切り開き、血に塗れたイギルを水魔法で洗浄した後に背中を合わせる。

「助けに来てくれたのはありがたいけど、突然水をかけてくるのは違くないか!?」

 イギルは迫りくる|白狼《ホワイトウルフ》を大斧の大振りで倒す。

「そんな汚い奴と背中合わせられるわけないでしょ!? 今でさえ濡れてるの気持ち悪いのに!」

 リリアーノは自らに襲い掛かってきた|白狼《ホワイトウルフ》の首元に礫を当てて、身体を打ち上げた直後、背中に氷礫を当てることで、地面に叩き付ける。

「こんな状況で潔癖だすかぁ? まあ援護は本当に助かる!」
「私は兵士の前に女なの! そこんとこ絶対に忘れんな!」

 イギルはリリアーノに走り寄る|白狼《ホワイトウルフ》と|双頭狼《オルトロス》を薙ぎ払いによって屠るが、リリアーノが自らの動きに合わせられていないことに気付く。

「リリィは好きに動いてくれて構わない。俺が合わせる」

 と、敵に囲まれた状態でありながら一度斧を鞘に納めたイギルに、リリアーノは声を荒げる。

「ちょっ。なにしてんの!?」
「|変異《スイッチ》」

 瞬間イギルの瞳の光の色が変わった。

 大斧という大雑把な武器を持ちながら、凛とした佇まいは貴族的な印象を受ける。

 迫り来る狼に対し、両刃斧の強みを最大限に活かした連撃を放った後に、持ち手を巧みに扱い、敵を払いのける姿はまるで二つの武器を扱っているように錯覚する。

 小刻みな連撃と、回避に重きを置いたアルマの旋風ではなく、細剣の誘惑と直剣の強打によって繰り出される踊りのようなエルノの美剣。

 新たな|感覚複製《イマジンハック》による攻撃。

「大丈夫、リリィに俺が合わせる」

 そう言った瞬間、イギルはリリアーノの周囲を、まさに踊るように斧を振るいながら、立ち回った。
 リリアーノもその規則的でありながら確実に敵を倒していく立ち回りに合わせ、氷礫を操作し、イギルの手では届かないところにいる狼を打倒していく。



 エルノは直剣を振るっていた。
 細剣はもちろん彼の得意とする武器であったが、どちらかと言うと魅せると言った意味合いが大きく、大立ち回りには不向きだった。
 ナディアという少女を守りながら戦うには、ブロードソードで敵を薙ぎ払っていく方が効率が良い。

 そしてナディアもリリアーノやセラの様に繊細に魔術を扱うタイプではなく、サリナのような殲滅に特化した魔術師であったがために、エルノに合わせて、腰に提げていたメイスを手に立ち回る。

 |白狼《ホワイトウルフ》の帯電している牙を雷の|魔法強化《エンチャント》を施したメイスで受け、雷撃をメイスに蓄電させる。
 その雷撃が一定以上が溜まれば、メイスを空に掲げることで、無詠唱による落雷を引き起こす。
 まさにその姿は伝承にある|雷槌《トールハンマー》の使い手だ。

 狼にとって雷は武器であるが、それは人間と剣と同じ関係性であり、雷の攻撃を受けないわけではない。

 その落雷によって痺れた狼たちをエルノがブロードソードによって、斬り捨てる。二人はまるで昔からの知り合いであったかのように、互いを理解し、圧巻のコンビネーションを繰り広げて見せた。

「ナディア、君がこんなに戦えるとは思わなかったよ!」

 それは皮肉ではなく、心からの尊敬。

「二人には追い付けないけど、追い付きたいから……」

 とメイスを振りながら、魔法を扱うナディアは、得物は槌だと言えど、魔法剣士だった。

 ここで言う二人は光の勇者ロードと特化|治癒術士《ヒーラー》のセラのことを言っているのだろうが、エルノはアルマとランスのことだと勘違いする。

「そうだね、僕もこんな実力で止まってはいられない。まだまだやれるよね!」
「うん!」

 そしてもう一度、二人の周囲に落雷が巻き起こる。



 アルマは黒く染まった刀剣を手に木々を飛び回りながら、攻撃のスキを伺う。

 しかし|黒狼《ブラックウルフ》は悠然と佇んでいた。

 アルマの刀剣は元から黒かった。しかし今なおも黒く染まる刀剣は、|黒狼《ブラックウルフ》の黒雷の攻撃によってだった。
 身体が痺れるどころではなく、全身を一気に炎で焼かれたような痛みをもたらす黒雷の威力は言わずもがな。
 既にアルマは自己再生を多用し、多くの傷を回復させていた。

 しかしそれに対し|黒狼《ブラックウルフ》の身体にある傷はほぼ無いに等しい。

 独立魔力の解放を果たしているアルマがここまで手古摺る相手なのかという疑問に対してはきっぱりとノーと言える。
 独立魔力解放は、アルマの肉体を魔物に変質させるというところにその強みがあった。ということは、今アルマの肉体は魔物に近づいていることになる。
 普段は長くても十五分で終えていたそれを既に三日も続けているアルマの身体は既にガタが来ているということ。

 剣を振るおうにも、人と魔物の筋肉が競合し、最大限の力を放つことが出来ない。その状態でアルマは上位種と言われる魔物と対峙し、戦っている方が奇妙なほど。

 瞬間、足場にしていたはずの木の枝がぼきりと折れ、アルマは態勢を崩し、そのまま地面へ自由落下していく。
 もうだめかと不調を訴える身体に甘んじ、目を瞑ってしまおうとした瞬間、背後で声が響いた。

「死ぬ気で戦い抜け! そう言ったのはお前だろうがぁ!」

 イギルだった。
 そちらに視線を送ると、ボロボロでありながらも、三十頭はいたであろう狼たちを全員倒した仲間たちがいた。

 偉業と言ってもおかしくない戦いを成し遂げた彼らに鼓舞されたアルマは今一度、身体に残っているかすのような魔力を巡らせ、奮起する。

――魔力の回復を図る? 違う、最大効率でこの魔力を使え――

 瞬間、独立魔力解放状態でありながらも、その魔力を脚部へ集中し、磁石の反作用の様に空気中の魔素と反応させる。魔力の足場のようなものを形成し、そこを蹴り、アルマは|黒狼《ブラックウルフ》へ肉薄する。

 ただ肉薄するだけでなく、|白狼《ホワイトウルフ》の帯電を行い、刀剣を自らの前に突き出すことで、ある種弾丸のように|黒狼《ブラックウルフ》を狙う。

 凄まじい速さで迫り来るアルマに、対応が遅れた|黒狼《ブラックウルフ》は後ろ脚を思い切り、切り裂かれる。
 しかしその痛みをもろともせず、遠吠えを放った。

 これこそ|黒狼《ブラックウルフ》の固有魔法黒雷の発現方法。

 直後、地下にあるはずの|迷宮《ダンジョン》内でごろごろと雷の音が鳴り響き、黒い閃光がアルマ目掛けて飛来する。

 その時間わずか一秒以下。

 しかしアルマも自らの身体に雷を宿すもの。雷の速度によって魔力を操作し、瞬時に|爆砲《フレイムバン》を放つことで、自らの身体を翻し、黒雷に左手を伸ばす。

「お前の雷、貰うぞ!」

 アルマの身体を穿ったように見えた、黒雷はみるみるうちに、獣と化した醜い左腕を通しアルマの体内に吸い込まれていき、その姿を消し去った。

 刹那、アルマ自身が稲妻になったのではというほどの閃光と同時に、その戦闘状態の黒髪をぱちぱちと散らすアルマの姿があった。

 稲妻すらも変色させるほどの魔力の籠った雷であれば、アルマの尽きかけた魔力を回復させるには十分だった。

「反撃開始だ」

 そう言うと、アルマの刀剣が黒光りし始める。腕や、頭の身体だけでなく、刀身までも電流が迸るようになった剣でアルマは|黒狼《ブラックウルフ》に肉薄する。

 そして刀剣に雷の下位属である風の|魔法強化《エンチャント》を施したのちに、剣を振るった。

 凄まじい閃光と共に放たれる剣は、風の|魔法強化《エンチャント》を以て、豪風を巻き起こす。しかしその中では未だ稲妻が響きを轟かせ、|黒狼《ブラックウルフ》の身体を焼いていった。

 何度も何度も、目を覆いたくなるような閃光が駆け巡り、心臓を掴まれるような轟音が鳴り響く。

 雷鳴に轟く刀剣は、静かに黒く焦げていく。

 アルマは|黒狼《ブラックウルフ》の固有魔法、黒雷を習得し、疲れ切った身体は地面に膝をついた。


次話


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  • 最終更新:2020-05-17 14:51:18

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